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タイトル/ジャケット | パッケージに関するデータ/コメント | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ザ・タイガース・フィナーレ THE TIGERS FINALE
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レーベル:ポリドール(発売:日本グラモフォン) レコード番号:MR 5004 価格:\2000 金色も使われた豪華印刷の見開きジャケット。 12ページのカラー・ブックレット添付(ただし、ここに掲載されたディスコグラフィーや当日のコンサート・プログラムより引用されたという年表には明らかな誤りが見受けられる)。 初版30,000枚のみLP4面サイズの大型カラー・ポスター付(右上の写真)。 レコード盤は、帯の文句によれば「タイガー模様」、すなわち黄色と黒色のマルチ・カラー仕様(右下の写真)となっているが、後期のプレスは通常の黒盤。 ジャケット見開き内に下記のクレジット有。 ディレクター:佐々木幸男 ミクサー:前田欣一郎 AD&デザイン:広野(廣野)展生 フォトグラファー:武藤義/佐々木徹治 オリコンのLPチャートでは最高10位。 ランクイン中の売り上げ枚数は36,000枚。 また、1971年11月頃以降、上記盤と同じレコード番号だがレコード会社名が「ポリドール」に変更された再プレスがある。 なお、後期(1974年頃?)には価格が\2200に変更された。 この「ポリドール」プレスの後期では通常の黒盤仕様に切り替わったが、「ポリドール」プレスのマルチ・カラー盤が存在することからして、それ以前の「グラモフォン」プレスでの黒盤は存在しないと思われるが。 [以下は規格が異なる再発売] [LP] 1981年 7月 1日 ポリドール 番号:25MX1046 \2500 「THE GREATEST STAR SERIES」と銘打たれており、同じシリーズ名(ロゴ・デザインも同じ)でほぼ同時期に井上陽水の初期アルバムも再発売されているとはいえ、解散から10年後、タイガース同窓会プロジェクトに合わせたはずの再発盤で、発売月も同じ7月。 なお、盤のスタンパーはオリジナル盤を流用したようで、マトリクス番号は「MR 5004 25MX1046」となっている。 帯は、この再発用のデザイン(左欄参照)。 シングル・ジャケット仕様で、オリジナル盤の見開き内側部分は添付されているブックレットに収録されているが、このブックレットは8ページなので、オリジナル盤付録のブックレットより合計6ページ分の写真等がカットされている。 [カセット] 1979年 7月25日 アポロン 番号:KSF1187 \2500 パッケージの写真が異なるカセット版。 また、これ以外のこのアルバムのカセット版の発売状況については、手元に資料がありません。 [以下、CDでの再発売] [CD] 1990年12月21日 ポリドール 番号:POCH-1058 見開きジャケット内、および12ページのブックレットもCDサイズのインサートとして再現されている。 ただし、ジャケット表側両脇に写っていたフィルムのメーカー名等の部分はカット。 下部の「渡辺音楽出版」のロゴが白抜きになっている。 なお、同じライヴ盤の『オン・ステージ』『サウンズ・イン・コロシアム』とは異なり、このCDではLPのA面の最後とB面の最初は編集でつなげられてはおらず、ブランクがある(以下同)。 [CD] 1995年 2月25日 ポリドール 番号:POCH-1481 税込\1500 『タイガース・オン・ステージ』『世界はボクらを待っている』『ヒューマン・ルネッサンス』『自由と憧れと友情』が再発された1992年の「GS 25th ANNIVERSARY」シリーズではリリースされなかったので、これが単体では初のCD化。 各社が当時プロモートした廉価な「Q盤」シリーズ(ポリドールでは「CD極上音楽」、略して「CD極楽」シリーズ)の1枚としてリリース(厳密には、その第2期の「新CD極楽」シリーズとして『自由と憧れと友情』『サウンズ・イン・コロシアム』『レジェンド』と共に再発された)。 上記CDではカットされていたジャケット表側両脇のフィルムのメーカー名等の部分は復活。 ただし、オリジナル・ジャケットの裏面の写真はパッケージ裏面に使われているが、その上に曲名等が印刷されている。 また、インサートの裏面には付録ブックレットの裏面部分が使われているが、後は歌詩のみが掲載されたカードが添付されているだけのシンプル仕様。 [CD] 2000年 6月28日 ポリドール(販売:ユニバーサルミュージック) 番号:POCH-9039/9040 『パーフェクトCDボックス〜ミレニアム・エディション』の1枚。 オリジナル・ジャケット見開き内側部分はインサート内側に再現されているが、付録ブックレットに関しては、このボックスセット添付のブックレット内に原寸で2ページ分収録されているのみ。 なおジャケット裏表紙部分下部のクレジットによれば、「グラモフォン」ではなく「ポリドール」プレスのジャケットを使用している。 しかし、これは何といっても収録内容が他のヴァージョンとは大きく異なり、オリジナルLP盤の音源に10曲がプラスされたスペシャル仕様になっていることが重要!(むしろ、ここに再発売盤として掲載するのは理論的には間違っているのかもしれないが) その内容的な詳細は下欄にて。 [CD] 2002年 4月24日 ポリドール(制作:ユニバーサル ポリドール/発売:ユニバーサル ミュージック/販売:ビクターエンタテインメント) 番号:UPCH-9023 税込\2500 タイガースのデビュー35周年記念として、オリジナルのLPパッケージを CDサイズで復刻した見開き紙ジャケット仕様(当然ながら上記の2枚組スペシャル・ヴァージョンの内容ではない)。 付録ブックレットはもちろん、初版30,000枚のみに付いていた大型ポスターも同縮尺で再現、帯も初版のデザインを取り入れている。 CD盤もオリジナルのマルチ・カラーを模したピクチャーディスク仕様。 加えて、歌詩等を再掲載した別紙カード添付(外国曲の作者クレジットは修正されているが、年表やディスコグラフィーの間違いはそのまま)。 ただし、この時に再発された他アルバム同様、やはりライナーは書かれなかった。 |
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レコーディング・データ等 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東京・日本武道館でのライヴ録音 録音日=1971年 1月24日(日曜日) |
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曲の内容に関するデータ/コメント | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
タイガースの解散コンサートのライヴ盤で、開催されてから半年も経ってから発売されたが、これは解散1か月後に、ほぼ同じ演奏内容のライヴ盤『サウンズ・イン・コロシアム』が(いわば擬似解散コンサート盤として)リリースされたこと、およびグループ解散後に連続して発売された各メンバーの新しい音楽活動のレコードを優先した、当初からのスケジュールだったと思われる。 オリジナルLP盤は1枚もので17曲版だったが、2000年にリリースされたボックスセットには、それまでにカセットのみで発表されていた音源10曲を加えて編集されたCD2枚組27曲版が収められた(ちなみに、オリジナルLPに収録されなかった曲は全部『サウンズ・イン・コロシアム』には収録されていたので、カットされた理由は明確だ)。 ただし、上記曲目表のように「当日のコンサート完全収録」というわけではなく、またオリジナルLPには収録されていたMCの多くが、何故かカットされている(特にLPのB面冒頭、岸部おさみの涙ながらの感動的なコメントがカットされた理由は?)。 さて、このコンサートの構成は、『サウンズ・イン・コロシアム』としてレコード化された前年のセットを踏襲しつつ、タイガースの歴史を総括するような内容となっている。 第1部は全曲外国曲のカヴァーで、「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」「スージー・Q」「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」と、例によってローリング・ストーンズ〜クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(C.C.R.)でおなじみの曲でスタート(いずれも各々のバンドのオリジナル曲ではないが、ここではC.C.R.版をカヴァーしたはずの「スージー・Q」は以前ストーンズもカヴァーしていた曲なので、「尻取り」した形のソング・オーダー?)。 続けては各メンバーがリード・ヴォーカルを取るコーナーで、いわゆるソフト・ロックやフォーク調が好みの(はずの)岸部シローは女性シンガー・ソングライターのジョニ・ミッチェル作でジュディ・コリンズが唄ったヴァージョンでの「青春の光と影」、R&Bファンの(はずの)岸部おさみは『サウンズ・イン・コロシアム』同様、黒人ソウル・シンガーの雄オーティス・レディングの遺作たる「ドック・オヴ・ザ・ベイ」、一般的なポップスが好みの(はずの)森本太郎はC.C.R.を軽くした感じの曲調のクリスティーの1970年のヒット曲「イエロー・リバー」と、ここまでは『サウンズ・イン・コロシアム』の進行と印象は変わらないが、瞳みのるがソロを取る次の曲「ヘンリー8世君」はコンサート前半のクライマックスと言うべき。 瞳みのるは、タイガースのレコードではコーラスにもほとんど参加しなかったようだが(映画『ハーイ!ロンドン』での「Lovin' Life」録音時に、レコーディング・スタジオの外に一人だけで居た映像が印象に残る…)、リード・ヴォーカルが聴けるライヴでの「オーケイ!」「ルーキー・ルーキー」、そして、この「ヘンリー8世君」と並べると、いずれも森本太郎以上にポップ色の強い、そしてシンプルで乗りの良い曲が好みだったようだ。 「ヘンリー8世君」は英国のグループ、ハーマンズ・ハーミッツが1965年に放ったヒット曲で、米国ではストーンズの「サティスファクション」に続いてヒット・チャートのトップにランクされたが、ストーンズのように時代(や当時の若者の気分)を象徴するような曲ではなく、タイトルもさることながら、ここでは一部日本語で唄われているように「オタマジャクシは蛙の子…」のメロディーなので、今聴くとコミック・ソングのようだ。 もっとも、このコンサートが開催された1971年当時でさえ、ストーンズとハーマンズ・ハーミッツの間には音楽ファンにとっても本人達にとっても相当な距離が生じていたと言えると思うが、瞳みのるのこの選曲(と音楽的な好み)は興味深い。 そして、『サウンズ・イン・コロシアム』でも演奏されたレイ・チャールズの代表作「ホワッド・アイ・セイ」をメドレーで挟みながら、「どうもありがとう、僕の生涯でこれが最後の舞台です」と語られて進行するように、まさに一世一代の熱演が展開する。 解散から30年以上を経た今では明らかなように、本当にこれが瞳の最後の舞台となっている訳なのだが、そのことを踏まえて聴き返す度に、瞳みのるが何故芸能界から完全に離れたままなのかについてはともかくも、これこそが最後の舞台なのだという固い意志を誰よりも本人こそが強く心に刻んでいたことが痛切に感じられてならない(もちろん最後にふさわしい見事なパフォーマンスとコメントがこのレコードにも記録されていることは、タイガース同窓会にも参加しなかったどころか、今やメンバーとはプライベートでも付き合いがないらしいことの原因ではなく結果に違いない)。 さて第1部では、この瞳みのるのシーン以外は特に解散を意識したような演奏ではなかったようで、以下、通常のコンサートのように外国曲のカヴァーが続く。 おなじみストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」、C.C.R.版を参考にしたはずの「コットン・フィールズ」、ドノヴァン「ラレーニア」、アダモ「ヘイ・ジュテーム」、グランド・ファンク・レイルロードの「エニーバディズ・アンサー」「ハート・ブレイカー」の2曲も続けて演奏されているが、これらは『サウンズ・イン・コロシアム』にも収録されていた。 当日は演奏されたが、どんな形でもタイガースのレコードに未収録なのは次の3曲。 ストーンズの「ギミー・シェルター」は日本では1970年初めに発売されたアルバム『レット・イット・ブリード』の冒頭に収録されたナンバーで代表曲の一つだが、当時はシングル・カットされなかった。 しかし、1969年後半に行なわれたストーンズの米国ツアーでは演奏され、その模様を撮影した映画のタイトルにもなり、その映画公開に合わせて1971年11月にシングルとしても発売された。 一方、その1969年ツアーのライヴ録音アルバム『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』には未収録だったが、『サウンズ・イン・コロシアム』のページでも触れたように、タイガースも聴いていたはずのストーンズ最初の(と言われる)海賊盤『LIVER THAN YOU'LL EVER BE』には収録されていたので、おそらくそのライヴ用アレンジを参考にして演奏されたと思われる。 「あの娘のレター」は1967年秋に米国のヒット・チャート1位にもなったボックス・トップスの名曲で、1969年にアーバーズがリヴァイヴァル、また1970年にはジョー・コッカーが唄ったヴァージョンもヒットしている。 時期的なことを考えるとジョー・コッカー版を参考にしたと思われるが、タイガースのことだからボックス・トップス版も踏まえて独自にアレンジしたのかも知れない。 ちなみに、同曲は「ザ・レター」のタイトルで1972年の『ジュリーV 日生リサイタル』に収録されている。 「光ある限り…」は、当時、明快で力強いロック・ヒットを連発したC.C.R.の1970年の曲だが、それまでとはちょっと異なったソウル調。 日本ではB面となった小気味いいカントリー調の「ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア」の方が米国では受けた。
第2部ではタイガースのオリジナル・ヒットの数々が披露されるが、やはり感情の乱れがモロに演奏に表れて「解散」コンサートらしいセンチメンタルさが色濃い内容となる。 しかし、このレコードはまさしく、そうした記録としての存在意義が他のすべてに勝るものでしょう。 *当項目に関しては、筆者自身、まだまだ未消化な感じですが、今回は一応ここまでとしておいて、今後、折りに触れて書き足すつもりです…。 |
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